Lost and Found
昔、「ウォーリーを探せ」という絵本があった。
ウォーリーという主人公が1ページ1ページ、あらゆる場所を旅していくのだが、人が無数に入り乱れた絵の中から、読者は彼を見つけ出さなければいけない。
面白いのが、ウォーリーは1ページずつ、とある場所を旅するたびに、自分の持ち物、傘だったり、リュックだったりを1つずつ落としていってしまうのだ。(それをまた読者は最初のページに戻って、どこにあるか探し出さなければいけないという仕組み)
私は、旅というのは、このウォーリーのように、「その町に何かを1つずつ落としてくること」じゃないだろうかと思っているのである。
本当にモノを落とす人(大事なものであれ、そうでないものであれ)
故意に持参物を捨ててくる人
行きそびれてしまった場所
見損ねたモノ
会えなかった人
買い忘れてしまったモノ
迷いや悩みなどの精神的感情
どんなに頑張って気を張っていても、何かをポロポロと落としてしまうのが旅である。
だけど、考えようによっては、それでも良いのだと思う。
落としていった結果、最後には身軽になっていて、笑顔だけが残る。
絵本の中のウォーリーのように。
何かを落として、それをもし取りに帰れなかったとしても、ウォーリーは全く動じず、
いつも笑っている。
笑顔というのは、世界に対する自身のステートメントである。
How you show up in the world.
どのような自分を世界に示したいのか、その自己主張なのだ。
旅というのは、そのようなステートメントを身につけることができる、またとない理想
の機会なのかもしれない。